【クイックレマ】加圧バスケットでも、LeverPresso用を使うと もっと美味しくなる!
前回の非加圧バスケット編に引き続き、今回はクイックレマで使用できる「加圧バスケット」についてのお話です。
結論を先に言ってしまうと、LeverPresso用の加圧バスケットは個人的に超おすすめです(ホルダー内のパーツとバスケットが干渉する可能性があるので、ご使用は自己責任でお願いします)
![]() |
クイックレマ純正(左)とLeverPresso用(右)の加圧バスケット |
![]() |
クイックレマ純正(左)と比べると、LeverPresso用(右)は底が深く、穴のレイアウトも異なる |
さて、ご存知の人も多いかと思いますが、クイックレマ純正のフィルターバスケットは「加圧式」と呼ばれる2重底タイプを使用しています。
加圧バスケットの一般的な特徴は、底穴がひとつしかないので圧力がかかりやすく、コーヒー豆のグラインドサイズを細かく調整しなくても、粉量と抽出量のレシオを適切に合わせることで、そこそこ美味しいエスプレッソを抽出することが可能になります。特に市販のエスプレッソ粉を使用する時は必須のパーツといえます。
![]() |
クイックレマ純正(左)とLeverPresso用(右)の底面。穴の大きさが違う? |
ただ抽出ロジックが非加圧バスケットとは異なり、クレマの質が粗い泡状になりがちなので、より本物志向の方には敬遠されてしまうのも事実です。
![]() |
クイックレマ純正バスケットでの抽出例:クレマに粗い泡が目立つ |
で、まずクイックレマ純正バスケットの特徴ですが、容量が約12gとダブルサイズ用としては小ぶりです。流出速度が最大3g/s程度と速く、味もあっさりめに仕上がる傾向にあります。
![]() |
クイックレマ純正バスケットで120ccのお湯を抽出した際の流出速度(最大3g/s程度) |
ちなみに、カタログ等では「約30秒で50ml抽出」と謳われていますが、実際にはもっと速く抽出が進む印象です。経験上30秒抽出すると60g以上抽出されています。レシオでいうと1:5相当、ネスプレッソやドルチェグストのようなカプセル式のエスプレッソマシンに近しい抽出仕様だと考えます(参考:メーカーレシピページ)。
もし純正バスケットを使って、本格的なエスプレッソのレシオ1:2で抽出したい場合、粉12gに対して抽出量24g、最短で約8秒しか時間が掛からない計算になります。対策なしで普通に抽出すると、さすがに速すぎて味が抽出不足になってしまいます。対策としては、以前もご紹介したブルーミング(蒸らし)による調整テクニックを使うことで味を補う必要があるかなと思っています(開始5秒で一時停止、のち20秒ブルーミングして再開)。
一方、クイックレマのバスケットサイズは51mmなので、もしサイズが合えば他社のバスケットを装着することができます。前回LeverPresso用の「非加圧バスケット」が使用できることを当ブログでご紹介しましたが、今回ご紹介するLeverPresso用「加圧バスケット」もクイックレマで使用することができます。
![]() |
LeverPresso用加圧バスケットで120ccのお湯を抽出した際の流出速度(最大2g/s程度) |
![]() |
LeverPresso用加圧バスケットの抽出例:きめの細かいクリーミーなクレマがもりもり |
LeverPresso用加圧バスケットの特徴は、容量約15g(※)でクイックレマ純正より3g多く入り、流出速度が最大2g/s程度まで遅くなります。純正と比較すると味がしっかり抽出され、クレマももりもりになります。仮に1:2のレシオで抽出したい場合、30mlまで動作できるようになり、流出速度も落ちているので、気持ちに余裕も生まれます。
速度低下の原因はおそらく底穴の直径がクイックレマ純正より小さいからだと思います。バスケットなんてどれも同じだろうとつい考えがちですが(特に加圧バスケットの場合)、今回のLeverPresso用バスケットによる粉量アップと速度低下のメリットは想像以上に甚大です。
※容量はバスケットを粉で満たして軽くタンピングした状態の実用的な粉量を記載しています
個人的にはこのレベルで加圧バスケットが抽出してくれるなら、グラインダーを微調整しながら毎回時間と手間をかけて非加圧バスケットを使わなくてもいいのでは?と思えるくらいです(笑)クイックレマをお持ちの方にはぜひお試しいただきたい一品です。
なおブルーミングは、LeverPressoのバスケットでも同様に行っていただいたほうがいいかなと思います。あと加圧式のバスケットの場合、粉で底穴が詰まってしまうリスクがあるので、私は丸型のペーパーフィルターを1枚底に敷いて使用しています。
なお冒頭でも申し上げましたが、サイズがギリギリのため、クイックレマ純正ホルダーの内部パーツとバスケットの底面が干渉する可能性があります。長期で使用すると変形や故障の可能性があるかもしれません。あくまで自己責任の範疇でお楽しみくださいー!!